夫婦のこだわりモダン・リフォーム 快適で楽しい“ふたり暮らし”のための空間づくり

東京都・H邸

不要なモノを削った潔さが魅力「オトナの空間」

H邸は40代前半のご夫妻が暮らす築35年の木造住宅。敷地は南東の2方向で前面道路と接しており、新築に建て替えた場合はセットバックなどの規制を受け、現行の建坪がさらに縮小されることは必至。都心の住宅密集地などでよく目にする“狭小角地”の不利を克服するフルリフォーム事例です。

「二人仕様への造り替え」は、子育てを終えた熟年夫婦が必ず直面するテーマでもあります。

また、若い夫婦の場合は将来、家族が増えたり、趣味・嗜好が変わったりすることを考慮して意外と“無難な家”に落ち着きがちですが、40代で共働きで子供がいない夫婦、あるいは子育てを終えた熟年夫婦の場合、ライフスタイルが確立され、必要なモノと不要なモノ、好きなモノと嫌いなモノの選択も明確。その分、個性的で大胆な空間づくりをする傾向が見てされます。

リフォームを終えたH邸も、まさに“選択を終えた大人”らしい遊び心がいっぱい。住みやすさや便利さだけでなく、ちょっと刺激的な二人暮らしを追求した注目のケース・スタディと言えるでしょう。

随所に心憎い“細工”を加えた、2階リビングの大型1LDK

具体的なレイアウトは1階に寝室と洗面・バスルームなどを集中し、最大面積が取れる2階をカウンターキッチン一体型のリビング・ダイニングとして使用。小屋裏を設けた高い傾斜天井が実面積以上の広さと広さを感じさせる大空間ながら、リビング横にはちょっとした“死角”となる2畳程度のタタミスペースを設けて、ほどよい距離感を造っているのも心憎い配慮です。

全体的なコーディネートはシンプルモダンが基調。玄関から続く白いタイル張りの床や空間を遮らないスケルトン階段、オシャレな什器類に強いアクセントカラーなど、築35年の住宅とは思えないほどオシャレに変身しています。また、キッチン内に洗濯機を設置するなど、自分たちのライフスタイルに合わせた独特のレイアウトもオーダーリフォームならでは。何より、全体的なデザイン性の高さは大きな特色です。

住宅密集地で2方向の接道、狭小地のコンパクトな住宅、子育て後のスモールハウス、そしてオシャレな遊び心。誰もがいずれ直面するさまざまなキーワードが盛り込まれたリフォーム事例なのです。